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2009年06月17日

中止の要請受け入れず、別地域のホタルを放流

今朝のビックリしたニュース。

北海道新聞によると、網走市内の住民組織「網走西部地区資源保全協議会」は、旭川で増殖されているヘイケボタルの幼虫を購入し、網走市内を流れる卯原内川に放流する計画を進めているらしい。地元の研究者グループは、ヘイケボタルは生息地ごとに遺伝子が異なっている可能性が高く、生態系を壊す可能性があるとの理由で中止を申し入れたが、同組織は受け入れずに27日に幼虫を放流する予定とのことだ。

同組織は、農林水産省から補助金(今年は2,500万円)を受けており、そのうち約200万円をホタルの放流事業に充てる計画で、「生態系に影響があるとするデータを示せないのに事業を中止できない」との理由で中止の要請は受け入れなかったらしい。研究者が「放流予定の川にはまだヘイケボタルが残っており、それを増やす方法を採るべきだ」と提案したにもかかわらずだ。

研究者は生態系が壊れる心配をしているのだが、同組織は“生態系”ではなく“事業”が予定通り進まなくなる心配をしているようだ。そこにはどんな理由があるのか。

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Posted by ムックリ at 18:22│Comments(11)北海道の自然
この記事へのコメント
ムックリさん こんばんは
なんてコメントすればいいのかわからないまま、昔のことを思い出したのでコメントします・・・
私が高校の頃(二十数年前)には、町外れ(札幌ではないですが)の小川に行けば、クリスマスツリー(蛍の)が見られました。
あの光景を子供たちに見せてやりたいと思ったりもします・・・
こんな便利な世の中を手に入れたことへの、代償なんでしょうかねぇ?
蛍だけではなく、いろんなことでチョットヤバイ感じがするこの頃です・・・
子供たちの顔を眺めながら、「自分たちが残せる物って何だろうか?」って考えてしまいます。
ムックリさんの問題提議とは、ずれているかもしれませんが、ふと思ったものですから・・・
失礼しました。
Posted by kimtako at 2009年06月17日 22:35
>kimtakoさん
実は私は生でホタルを見たことがありません。(^_^;)
海のそばで育ったのですが、川は近くにはなかったもので……。

今回の記事は、新聞には大きく掲載されていたものの、ネット上ではなぜか見つからなかったので記録として掲載しておきました。アクセスログを見ると、「網走」「ホタル」「放流」「卯原内川」などのキーワードで検索して見に来ている人もいるようです。
Posted by ムックリ at 2009年06月18日 13:03
「北見・網走・オホーツクフリーペーパー 経済の伝書鳩」というサイトに、この件の記事が掲載されていました。
http://denshobato.com/bd/news/page/33939.html
Posted by ムックリ at 2009年06月19日 09:55
あの新聞記事を見て10年以上前、サッポロさとらんど内にある
人工池に放されたホタルの幼虫と餌となるカワニナが思い浮かび
H P を検索しましたが、ホタルの事に関しては何も触れず仕舞で。
上手く行かなかったのかもしれません。当時は生態系が壊れる....
なんて思いも付かずただ綺麗なホタルの明かりを想像するばかり
でしたが、人間の都合でむやみに移動させたり根付かせたりする
のは良くないことなのですね。この事業に200万円も使うとは
ビックリです。住民組織が農水産省から補助金をもらっている....
なんて知りませんでした。一度でも受け取ると、次年度も予算を
付けさせるため実績作りを始めます。なにやら箱もの行政と似て
いますね。研究者が言っている事は正しいと私も思います。生き
残っているホタルの環境整備がまず先だと思います。
Posted by 北の旅烏 at 2009年06月19日 15:23
>北の旅烏さん
きっと研究者のうちの誰かが道新の記者の同級生か何かで、記事も研究者寄りの内容になっていたような気もしないでもないのですが、それにしても遺伝子が異なっている可能性が高い他の地域の生物をひとたび放流してしまえば、それを元には戻せなくなることが理解できないはずはありません。

以下の記事を読むと、大人の事情に巻き込まれて自らの故郷の環境を壊す手伝いをさせられてしまった小学生たちがかわいそうな気がします。

http://denshobato.com/bd/news/page/33939.html
Posted by ムックリ at 2009年06月20日 14:45
ちなみに、以下のブログ記事を読むと、東京新聞の6月19日朝刊でも報じられたようです。

■善意の攪乱...の巻。えっ? 北海道にゲンジボタルが?
 http://tocsin.blog.shinobi.jp/Entry/217/
Posted by ムックリ at 2009年06月20日 14:53
ほかにも詳しい解説記事がありましたので、掲載しておきます。

■ホタルの養殖と放流についての諸問題
 http://members.jcom.home.ne.jp/hotaru-net/hotaru/report12.html
Posted by ムックリ at 2009年06月20日 15:01
今朝の新聞にホタル放流を中止したと載っていましたね・・。
新聞に書かれたから、事が公になり問題が大きくなりそうだ、
となんともお役所のコメントらしい記事にさもありなん....と
笑っちゃいました。(^^;)それにも増して民間市民団体
が農水産省から2500万円のも多額のお金をもらっている
事の方が疑問が湧きます。農水産省の決裁が必要ですので....
ここの意向でこうなったのでしょうか・・・。ふ〜むですね。
Posted by 北の旅烏 at 2009年06月22日 11:24
>北の旅烏さん
道新見ました! 中止されたんですね。
放流を中止した組織の会長のコメントとして「新聞に報道されるなど反響がある中で、放流を強行することはできないと判断した」とも書かれていました。
中止した理由が「生態系を壊す可能性があるから」ではないところがなんとも(^_^;)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/environment/172933.html
Posted by ムックリ at 2009年06月22日 11:53
長野県辰野町松尾峡は、昔からゲンジボタル発生地として有名です。

しかし、松尾峡には1960年代に主として関西から大量のゲンジボタルが移入され、元々住んでいた地元ゲンジは増えるどころか、逆にほぼ絶滅したらしいことが最近の研究で明らかになっています。この移入の経緯はパンフレットなどでは、伏せられています。

移入ゲンジは在来ゲンジと遺伝的にも行動的にも(発光の仕方)異なっています。つまり、1960年代をはさんで、違うタイプのホタルを見て(見せられて)いるのです。しかしながら、町はその区別なく放流飼育を繰り返してきた経緯があります。

最近、この辰野町のホタル養殖による現地ホタルの生態破壊が問題となっています。対策を採るように研究者は申し入れていますが、役場から「この問題を、あまり公表しないでほしい」と言われ、かつ、対策も採られていません。

パンフレットや町のウエブサイト
http://www.town.tatsuno.nagano.jp/tatsunosypher/www/info/detail.jsp?id=1150
では、移入のことは触れられていませんが、実際には、上記のような他地域ゲンジの放流によって、地元のゲンジの生存が脅かされています。


私たち研究者は、これが一種の環境問題だから、情報をオープンにして、研究者、役場の人、住民(そして観光客)など加わったフォーラムを開いて意見を言ってもらうべきだと、役場に申し入れました。しかし、何度言っても拒否されました。その最大の理由は、この問題の歴史的経緯や上記学術的結果を公表してこなかったし、また公表したくないからです。
地元産を増やしてきた、と強調している経緯があるからです。

役場の担当課長から、「観光客はホタルを見にきているので、全体としてホタルが増えればいいのであって、仮に、在来ホタルが減っても構わない」という、驚くべき発言もありました。

この問題は過去のことではなく、現在も続いています。昨年の簡単な調査で、松尾峡下流地域では、松尾峡からあふれ出した移入ゲンジが在来ゲンジの生存を脅かし、ある地点では既に9割が移入タイプとなっていることが判明しました。つまり、地元ゲンジが子孫を残せなくなっているのです。

たとえば、
www.geocities.jp/zenhoken/ZHJ_pdf31-40/ZHJ36_13-14.pdf
あるいは
http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/6020
で問題となっていることが見られます。

この問題は、kumageraのブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/kumagera2009/
で集中的に扱っています。
Posted by kumagera at 2009年07月29日 13:37
>kumageraさん
なるほど、同じような問題は他の地域でも起こっているんですね。
役場の人が「この問題を、あまり公表しないでほしい」と本当に言ったのだとしたら、ワイドスクランブルで取り上げて、ぜひ三井三太郎さんに突撃取材をしてもらいたいです!
Posted by ムックリ at 2009年07月31日 16:38
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