とつぜん発生した不可思議な音

ムックリ

2011年07月20日 22:09


 今日は海水浴に行くつもりだった。しかし気温は思ったほど高くはならず、空も快晴とは言いがたい状態だった。正午の少し前には仕事のメールが続けて何通も届いて、12時ちょうどには食事を始められないような状況となった。それでも僕は12時15分にはメールの返信を終えてテレビをつけ、昼食の準備をはじめた。弁当は用意されていたので、僕は味噌汁のお椀を用意し、そこにインスタントの味噌汁の味噌と具材を入れてポットのお湯を注いだ。

 弁当を食べながら、僕はなでしこジャパンの監督が生出演している番組を見ていた。そうかおやじギャグを言うフレンドリーな監督なんだ、と僕は感心しながら話を聞いていた。監督がナイジェリアのギャグの話をしていたとき、急にどこからか何かを揚げているような音が聞こえてきた。家には僕のほかには誰もいない。僕は一応キッチンに行ってその音がそこから聞こえているのではないことを確かめ、次に窓を開けて外の音を確かめた。しかし、その大きくはっきりと鳴り続けている音は、間違いなく家の中から聞こえていた。僕は念のためテレビの音を消してみた。それでも音は続いている。いったいこんな大きな奇妙な音が、家の中のどこから出ているのだ? 僕は箸をおいて部屋の中を捜しまわった。そしてついにその音の発生源を見つけた。その音は目の前にあった味噌汁から発生していたのだ。


 僕はなぜそのような現象が起きているのか理解できなかった。味噌汁の具材に何かが混入していたのだろうか? 僕は味噌汁の中の具を何度も箸ですくいあげてみた。しかしとくに変わったものは入っていない。少しずつ味噌汁を捨てながら様子をみてみると、音は味噌汁が完全になくなるまで続いた。そして、お椀を水ですすいだときにその音は止まった。お椀の底にはうっすらとひびが入っているのが見えた。僕はなんとなくではあるが、お椀にお湯を入れると音が出るのではないかと思い、少しだけお湯を注いでみた。しかし、何も変化はなかった。そこで、少し多めにお湯を入れてみると、こんどはそこからぶくぶくと何かが出てきて音を立てはじめた。




 いつまでたってもその音は続いていたので僕はお湯を捨て、今日は味噌汁は飲まないことにした。

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